つどいは知恵の宝庫~介護初心者の悩みに応える~

全国の支部で行われている家族の「つどい」。その中で出てきたいろいろな悩み。その悩みに応える形で、介護初心者の悩みにお答えします。会報ぽ~れぽ~れの人気記事の抜粋です。

男性が女性を介護するとき注意することは?

自宅では義母を介護しています。妻が不在時、オムツ交換も私がしますが義母の抵抗が強く半ば強引にやっています。勤めている施設でも、女性利用者に男性職員が関わることを皆無にはできませんが、現に拒否に遭う男性職員は多く、利用者も職員も傷つきます。何か良いアドバイスがあればお願いします。 (相談者:男性施設職員58歳)

元介護家族(女):同性にお願いをしたい 主人のオムツ交換は当たり前のこととしてできましたが、逆に、私が介護される立場なら、それが男性だったら、とてもつらいし恥ずかしい。ありがたいことですが、なるべく女性にお願いしたいものです。下の世話や入浴や清拭のようなことは特に人に見られたくないという羞恥心もありますので、よく言われる「尊厳を守る」という視点にたってお願いしたいです。

介護経験者(女):留守中は交換しなくてすむオムツを使用しては 実母の介護でも同じような抵抗があり、ずっと嫌そうでした。抵抗は女性として当然です。奥さまがお留守の時には長時間用のオムツなどを利用して、オムツ交換には関わらないような方法を考えてはいかがですか。

ケアマネジャー(男):ヘルパーさんにお願いしては 強引にするのはぜったいにやめてください。自尊心を傷つけ、他の症状の悪化にもつながります。奥さまがお留守の時はヘルパーさんにお願いしてはいかがですか?

施設管理者(女):タオルなどで見えるところを最小限に 異性介護のとき、心がけることは、相手の性を尊重すること以外にないと思います。特に身体介護は同性が行うのが原則だと思います。私は施設やサービスの質に関わる大きな問題として同性が介護できるよう最大限努力しています。しかし、現実問題として、男性による女性利用者の介護は避けられません。露出を最小限にするため、ついたてやタオルを上手に使い、手際よく行うようにしています。

施設職員(男):環境と本人の思いで違うのでは 私も、職場で女性の排泄の世話や入浴の介助をせざるを得ないことがありました。病院ではほとんど拒否を受けることはありませんでしたが、施設に移動してから抵抗にあうようになったと感じます。認知症の介護度に大きな違いはないので、性差だけでなく、ご本人の置かれた環境によっても影響されるように思います。

看護師(女):必要なことだからと割り切る 専門職として、排泄や入浴の介助は健康と快適さを守るための重要なケアなのだと意識してかかわることで、お互いの違和感や不快感が少し緩和されるのではないでしょうか? 事務的といってはなんですが、男性、女性をあまり意識しすぎず、テキパキと手際よく割り切ったケアも必要なことかもしれません。また本人にできるところは最大限、自分でやってもらうことも大切だと思います。

世話人(男):難しいですね 非常に難しい問題です。ここで大切なのは、こうして常に悩み続けながら同時に相手のことを尊重する「気持ち」を持ち続けることではないでしょうか。気持ちは行動に表れます。何でも、慣れてしまうことが一番怖いのです。