全国の支部で行われている家族の「つどい」。その中で出てきたいろいろな悩み。その悩みに応える形で、介護初心者の悩みにお答えします。会報ぽ~れぽ~れの人気記事の抜粋です。
■家内が希望するので毎日、長距離のドライブをしており、疲れています。どうしたらいいでしょう。
家内は62歳で、介護度1の認知症です。嫁に行った娘が帰ってきても家に入れず、「帰れ」と言います。毎日、午前午後とドライブをせがまれ1日200キロのドライブに出かけ気分を紛らわせています。
私自身疲れてきました。病院に入院させようと思いましたがかわいそうです。どうしたらいいでしょう?(65歳 男性)
世話人A:ゆっくりと休憩を入れながら走りましょう。200キロは大変ですが、確かにドライブは一日中家の中で後を追いかけているより楽ですね。私も運転が好きなので夫を乗せてよく出かけます。ただし、あちこち止まって散歩をしたり、ドライブインに寄ったりしながら朝1時間、午後は2時間ほどに決め、あわせて1boキロほどにしています。
医師B:ドライブ希望の原因を考えてみましょう。ドライブをせがまれる理由が何であるか、まずそれが先決だと思います。いつごろから? 何かのきっかけがあったか?ドライブ中の様子は? また最近精神的、身体的に何か変わったことはないか?などメモして専門医を受診してみてはいかがですか?
ケアマネジャーC:デイサービスなど利用して別のことに興味を向けていく。
毎日の長距離ドライブ、過労から事故につながったら大変です。ドライブの時間と距離をだんだん減らし他のことに興味を向けていった方がよいと思います。デイサービス・デイケアなどの利用を考えてはいかがでしょう。
ドライブに誘うということで迎えにきてもらうとスムーズにいくかもしれません。一般の送迎車ではなく、普通乗用車での迎えを考慮してくれるところもありますよ。
施設職員D:デイサービスやデイケアを利用するときはボランティアと言ってみる。62歳とのこと、高齢の方の多いデイサービス、デイケアはあまり気が進まないかもしれませんが、たとえば「一緒にボランティアに行こう」と誘ってみては?ケアマネジャーに相談し、個別性に合わせた対応をしている事業所を紹介してもらってはいかがでしょう。
介護家族男性E:散歩のほうが健康に良い。40代でアルツハイマーを発症した妻の介護をしています。健康を考え、初期のころから歩くことを心がけました。散歩は、自分の体を動かし、人と出会ったり季節を感じたりできるので良い刺激になり、昼夜のリズムもできました。1年前大腿骨を骨折して歩けなくなりましたが、車イスで散歩を続けています。発症から14年後の今もとても元気ですよ。
看取りを終えた家族F:元気に介護が続けられるようにいろいろな人の手と知恵を!介護は長期戦になるかもしれません。
元気で介護が続けられるように、一人で背負いこまないよう近所や親せき、友人、そして専門職の人にも相談することが必要です。私は「家族の会」の「つどい」に出席していろんな介護の知恵と元気をもらったことで乗り切ることができました。