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家族が「認知症ではないか」と心配しているあなたへ

介護の先輩「認知症」って何でしょう

認知症は単なるもの忘れとは違います。

母が認知症と診断されてピックリしました。それまではもの忘れがあっても、「歳相応だろう」と思っていましたので。
でも、母の様子は歳をとって自然に起きるもの忘れとは何か違っていました。思い返せば、一つの出来事(エピソード)をすっぼり忘れてしまっていることがありましたが、あれが認知症のサインだったのです。お正月に家族みんなで楽しく過ごした後に、「えっ、そんなことあった?」なんて。ちょっとした生活の変化に気づけば、私たち家族でも早い段階で見つけられるんですね。

認知症とは知的な面で日常生活に支障をきたす病気です。

介護の先輩でも、これまで何の問題もなく生活していた母が認知症だなんて認めにくいですね。それに知的な面は決して一様に悪くなるのではありません。あることは家族がピックリするほど出来なくなっても、多くのことは普通にできていました。
認知症は一度獲得した知的な能力が脳の変化によって低下すること、と開いていたのですが、まさか我が家で起きていたとは…。
脳細胞にカスのようなものが溜まり、脳が縮んでいくアルツハイマー型認知症と、脳の中の血管が詰まり、小さな脳梗塞がたくさんできる血管性認知症に分けられます。母はアルツハイマー型でしたから、少しずつ生活のいろいろなことを面倒がるようになりました。血管性認知症の人は早い段階で感情が激しくなり、喜怒哀楽がはっきりするそうです。周りの者が本人の生活の変化に気づくことが大切です。

認知症は慢性の病気です。

今になって考えれば、もう少し早い時期に「病気」として目を向けていれぼよかったと思います。それと、認知症は決して高齢者だけにあるものではないんですね。先日も若くして認知症になった人がもの忘れの苦しみや家族への感謝を語っておられる記事を新開で読みました。心臓病や糖尿病と同じように慢性の病気として上手に付き合うことが大切だとは分かってはいたのですが、現実には、母のもの忘れを目の当たりにすると、何だか情けないような気になって、母につらく当たってしまって自分がイヤになることがありました。

公益社団法人認知症の人家族の会
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