介護保険ニュース#21

第125回 社会保障審議会 介護保険部会(令和7年9月29日開催) 概要まとめ

第125回社会保障審議会介護保険部会は、2025年(令和7年)9月8日(月)に参集とWebのハイブリット形式で開催されました。主な議題は以下の通りです。

主な議題と内容

議題内容概要
1. 地域包括ケアシステムの深化
• 全国を「中山間・人口減少地域」「大都市部」「一般市等」の3類型に分け、各地域の高齢化・人口減少のスピードやサービス需要の変化に合わせ地域包括ケア体制の実現・深化に向け、都道府県・市町村の役割分担や社会福祉法人間の連携強化、相談支援体制の在り方が審議された。委員からは、ケアマネジメントや訪問介護、通所介護を地域支援事業へ移行する際の移行段階や人員・資格基準の整備を求める声が上がった。
一方、要介護1・2の生活援助サービス移行は現状整備が不十分との指摘も相次ぎ、移行前の専門職育成や後方支援策の強化が必要との見解で一致した。
2. 医療介護連携の推進1. 介護被保険者証の事務や運用等の見直しについて(案)
2. 災害時における介護情報基盤の医療と介護の連携強化については、急性期から在宅まで切れ目ない支援体制の構築が課題とされた。高齢化進展やサービス需要の変化を踏まえ、老人福祉圏域単位での協議機会設定や、当事者参加型の地域会議の必要性が示された。委員からは、住まい・訪問介護事業所の数と受入可能人数など具体的データの共有、スキルの高い介護福祉士配置要件の導入を要望する意見が出された。


3. 制度持続性の確保

財政運営面では、給付と利用者負担の見直しが最大の焦点となった。利用者負担割合については、2割・3割負担の拡大が利用控えや重度化を招く懸念が多数を占めた。
また、ケアマネジメント給付への自己負担導入には「中立性喪失」の強い反対意見が出された。
公費投入の在り方についても、社会保障給付費全体とのバランスを踏まえつつ、過度な負担増加を回避する視点が強調された。
4. 令和7年度税制改正に伴う対応令和7年度の税制改正に伴う介護保険制度への影響を最小化する暫定措置として、保険料基準額の調整方針が了承された。
これにより、税制改正による現場負担の急激な変動を抑制し、利用者・事業者双方の安定的運営を確保することとされた。

まとめ
本部会での議論内容は、今後の改正骨子策定や与党協議に反映され、2027年の介護保険法改正案に向けた重要な基盤となる見込みである。今後も制度の持続可能性確保と質の高い地域ケア実現に向けた具体的提案の深化が期待される

以上、第125回社会保障審議会介護保険部会(令和7年9月29日開催)の概要になります。引き続き、「認知症の人と家族の会共同代表・和田誠からの意見・質問」、「担当者からの回答」を介護保険次期時期改正の動きレポートに掲載しているのでご覧ください。                           

 

 

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