介護保険ニュース#8

今回は、第109回社会保障審議会介護保険部会(2023年12月7日)の内容を公開されたYouTubeによるライブ配信内容を要約してお伝えしています。

介護保険・社会保障専門委員会 和田 誠

 【要約】

第109回社会保障審議会介護保険部会の要約メモです。
主な内容は以下の通りです。

本日の介護保険部会では、給付と負担について議論が行われました。具体的には、2割負担の一定所得以上の判断基準のあり方が検討され、年末の予算編成過程で結論を出す方針が示されました。しかし、多くの委員から慎重な検討を求める意見が出されました。負担増がサービス利用抑制につながることへの懸念から、利用者の生活実態把握が不十分であるとの指摘が相次ぎました。一方で、制度の持続可能性確保の必要性から、応能負担の原則に立ち返るべきとの意見もありました。

このほか、介護予防・日常生活支援総合事業の充実に向けた中間整理と、改正介護保険法の施行に伴う省令案について報告が行われました。

【審議項目】

▼2割負担の一定所得以上の判断基準を年内に検討へ
給付と負担の議題では、2割負担の一定所得以上の判断基準について、年末の予算編成過程で検討する方針が示されました。財政の持続可能性確保が理由として挙げられ、医療との差異に配慮しつつ判断基準を検討するとしています。

▼利用者の生活実態把握が不十分との指摘相次ぐ
委員からは、利用者の生活実態が十分把握されていないとして、慎重な検討を求める意見が相次ぎました。収入だけでなく資産も考慮すべきとの指摘や、サービス利用抑制につながることへの懸念が示されました。

▼制度の持続可能性確保を訴える意見も
他方で、制度の持続可能性確保の観点から、応能負担の原則に立ち返るべきとの意見もありました。公的年金収入だけで生活する高齢者は多い一方、貯蓄は大きい傾向にあるとして、資産状況を考慮した負担が必要との指摘がありました。

▼介護予防・日常生活支援総合事業の充実に向けた中間整理
介護予防・日常生活支援総合事業の充実に向けた中間整理が報告されました。地域共生社会の実現に向け、多様な主体の参画や利用者の選択肢拡大などの方向性が示されています。

▼改正介護保険法の施行に伴う省令案
改正介護保険法の施行に伴う省令案として、介護事業者の経営情報公表や介護予防支援の指定対象拡大などが報告されました。情報管理への配慮を求める意見が相次ぎました。

【行動項目】

●利用者の生活実態をより詳細に把握し、2割負担の影響を慎重に判断する
●介護事業者の経営情報公表に際し、個人情報保護に十分留意する
●介護予防・日常生活支援総合事業の充実に向け、多様な主体の参画を推進する

 

 

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