“「3時間しか利用していないのに、5時間の利用料を払わなければならないのは納得できない」”

当会では、2020年6月29日(月)に「新型コロナウイルス感染症に係る介護報酬の特例措置によるサービス利用者への負担押し付けの撤回を求める緊急要請」を厚生労働大臣に提出しました。

動画による説明

▲「家族の会」では、この要請についてのYoutube動画を作成しました。

これは、利用者が介護サービスを利用していなくても、事業者が「利用した以上の額を利用者に請求できる」などとする新型コロナウイルス感染症に係る特例です。

「家族の会」では「(コロナ禍による)事態を、利用者に負担を押し付けて解消しようとするような今回の措置は、利用者と事業者の信頼関係を壊すだけでなく、介護保険制度への国民の信頼を揺るがし、国の責任を放棄するものと言わざるをえません。」と訴えます。


緊急要請の全文

新型コロナウイルス感染症に係る介護報酬の特例措置によるサービス利用者への負担押し付けの撤回を求める緊急要請

2020年 6月29日
厚生労働大臣 加藤勝信 様

公益社団法人認知症の人と家族の会
代表理事 鈴木 森夫

新型コロナウイルス感染症に係る介護報酬の特例措置による
サービス利用者への負担押し付けの撤回を求める緊急要請

 日ごろより、当会の活動にご理解、ご支援いただき、ありがとうございます。

さて、厚生労働省から6月1日付で、各都道府県等の介護保険担当主管部局あての事務連絡「新型コロナウイルス感染症に係る介護サービス事業所の人員基準等の臨時的な取り扱いについて(第12報)」が、また、6月15日付で、「同(第13報)」発出されました。

この通知の取り扱いをめぐり、利用者や介護の現場から戸惑いや怒りの声が多く上がっていることは、ご存じのとおりです。

私たち「家族の会」の電話相談にも「3時間しか利用していないのに、5時間の利用料を払わなければならないのは納得できない」との訴えや、「利用者・家族は事業所の大変さを理解し、利用時間を減らして協力している上に、さらに利用料の負担増まで強いられるのはおかしい」、「このような理不尽なことがまかり通れば、利用者・家族の生活は立ち行かなくなってしまう」、などの怒りの声が届いています。

6月25日の社会保障審議会介護給付費分科会において、「家族の会」の鎌田松代理事は、「コロナ禍で大変な中、利用者の安全や健康を守るためにがんばって事業継続していただいている事業所には感謝の気持ちでいっぱいです。しかし、だからといって、利用者にその感謝の代償として、実際には利用していないサービスの分まで負担しろというのは、あまりにも理不尽です。また、それによって限度額を超えてしまえば、その分は全額自己負担となってしまい、到底、道理に合わないやり方であり、同意した利用者だけが負担増となり、同意しない人との不公平が生じます」と強く問い正したところです。

私たちは、コロナ禍の中で、デイサービスやショートステイなどの介護サービスの有り難さを実感しており、事業者が感染症による減収によって閉鎖に追い込まれるような、「介護崩壊」が起こらないことを誰よりも願っています。

今回、介護事業所が運営上大きな困難に直面せざるを得なかったのは、ひとえに新型コロナウイルス感染症の蔓延によるものであり、事業所の責任でも、利用者・家族の責任でもありません。不可抗力による事態を、利用者に負担を押し付けて解消しようとするような今回の措置は、利用者と事業者の信頼関係を壊すだけでなく、介護保険制度への国民の信頼を揺るがし、国の責任を放棄するものと言わざるをえません。このような先例を絶対に作ってはなりません。

直ちに、今回の特例措置(臨時的取り扱い)を撤回し、介護事業所の減収や感染対策にかかる経費等についてこそ、補正予算の予備費を使い、公費で補填するよう、強く求めるものです。

以上


ダウンロード:PDF版 緊急要請(197KB)