どうするつもりか介護保険制度=「改正」の動きレポート#50

【介護給付費分科会】編

介護保険・社会保障専門委員会

はじめに ~令和6年度介護報酬改定 訪問介護の改定内容に多くの委員が疑義を~

 

 厚生労働省社会保障審議会第239回介護給付費分科会(「分科会」)は、令和6年1月22日(月)10:00~12:00東京虎ノ門グローバルスクエアコンファレンスにおいて、参集及びWEBによるハイフレックス形式で開催されました。議題は『令和6年度介護報酬改定に向けて(介護報酬改定案について)』です。

 冒頭、分科会長 田辺国昭氏(国立社会保障・人口問題研究所所長)より、「本日は事務局より年末の審議報告を踏まえ、介護報酬改定案について、厚生労働大臣から社会保障審議会長への諮問書が提出されており、これに対する当分科会の意見を報告書という形で取りまとめたいと思います。事務局におかれましては、資料説明を簡潔に行っていただくとともに、各委員におかれましても、ご発言は論点に沿って簡潔に行っていただくとともに、取りまとめに向けてのご協力をお願い申し上げます。」との説明がありました。

 今回は吉元重和老人福祉課長の説明と鎌田松代代表理事の発言要旨を紹介しながら、配布資料及び厚生労働省によるYouTube配信に視聴参加した際のメモなどをもとに、問題点をお伝えしていきます。(囲み内が発言要旨)

※諮問書:諮問書 諮問書別紙 令和6年度介護報酬改定介護報酬の見直し案 をご参照ください。

〇資料
 議事次第
 社会保障審議会介護給付費分科会委員名簿
【資料1】令和6年度介護報酬改定の主な事項について
 諮問
 諮問書別紙 令和6年度介護報酬改定介護報酬の見直し案
 報告

〇参考資料

 【参考資料1】令和6年度介護報酬改定における改定事項について
 【参考資料2-1】介護報酬の算定構造(R6.4.1)
 【参考資料2-2】介護報酬の算定構造(R6.6.1)
  【参考資料3】令和6年度介護報酬改定に関する審議報告の概要
  【参考資料4】令和6年度介護報酬改定に関する審議報告
  【参考資料5】令和5年度介護事業経営実態調査結果の概要

〇答申
 答申

 事務局からの資料の説明ということで、老人保健課長より【資料1】令和6年度介護報酬改定の主な事項についての内容説明がありました。

 

 次に各委員より【資料1】令和6年度介護報酬改定の主な事項について に加え、 【参考資料1】令和6年度介護報酬改定における改定事項について 内容について意見や質問が述べられました。

【鎌田松代代表理事による意見及び質問】
 今回の報酬改定の内容を見ますと、訪問介護の基本報酬がマイナスとなっています。                                                                                    

  人材不足が一番顕著で休廃業も多い事業であるにもかかわらず、今回の基本報酬については驚くばかりです。 昨年の訪問介護事業所の方々からのヒアリングでは、基本報酬での引き上げを強く要望されていました。訪問介護事業所の倒産は60件、休廃業は510件に上っていると聞いております。地域に根付いた、それも小規模の事業所ばかりが休廃業しているとのことです。

  一方、事業所全体での収支は先ほど小林委員からもありましたが、微増の調査結果が出ておりました。それは特にサービス付き高齢者住宅などの併設型訪問介護事業所が増えている結果とも聞いております。既に訪問介護報酬の27%が併設型訪問介護事業所に支払われてるとのことです。 片や自宅で暮らす要介護者の介護のある暮らしを支えている地域の訪問介護事業所は、先ほども申し上げましたとおり休廃業が加速化しています。残っている事業所のヘルパーも高齢化が進み、風前の灯であると事業所の方はおっしゃっていました。ケアマネージャーからは、ケアプラン通りに訪問介護サービスを導入できないというような悲鳴も聞いております。

 酷暑でも雪の日でも徒歩や自転車で地域を回り、自宅での介護のある暮らしを支えてくれているヘルパーは移動の距離も長く効率が悪いので、ヘルパーの応募は併設型訪問介護事業所より少ないと聞きます。

 ヘルパーがいなくなったら在宅介護継続困難になり、特養待ちをしなければならなくなったり、入居が必要であっても経済的な問題でサ高住などや有料老人ホームに入れない状態を想像すると、私達認知症の人や家族はもう暗黒の状況で先が見えません。

  このような基本報酬になったことへの質問ですが、参考資料1( 【参考資料1】令和6年度介護報酬改定における改定事項について 164ページ~参照)のところで、訪問介護の基本報酬は、他の事業がアップになっているように全て下げられています。欄外には処遇改善加算について、今回の改定で高い加算率最大24.5%を設定していると書かれていますが、処遇改善加算が高いから、基本報酬を引き下げるというような意味合いでしょうか?ご回答のほどお願いいたします。

 鎌田松代代表理事は、訪問介護における人員不足は顕著であり賃上げを初めとする人材確保への対応は喫緊の課題という認識が前回の審議報告でも共有されていたにもかかわらず、訪問介護の基本報酬が引き下げられたことに驚愕するとともに、事業所の倒産や休廃業の実態やサービス付き高齢者向け住宅等併設訪問介護事業所と各自宅に訪問する訪問介護事業所との違い、そして予想される大きな懸念について意見を述べました。

 また、処遇改善加算関係の算定率を高く設定しているから、基本報酬を引き下げたのかと質問をしました。

 【認知症施策地域介護推進課長の回答メモ】

  まず改定の基本的な考え方については、先ほど小林委員へも答えさせていただいた通り、基本的な考え方に基づいた基本報酬の設定だと考えている。重ねて鎌田委員からご指摘いただいた通り、訪問介護事業所には他のサービス類型と比べて小規模な事業所が多いということは承知している。こうしたことに配慮して現行の収支差は判断しているが、その小規模事業所にその判断が多いということにも配慮した上での基本方針の見直しとさせてもらった。

  その上で、訪問介護事業所は基本的に人件費が収支の7割を占めているので、今回の改定についてはこの処遇改善を最優先とし、訪問介護については処遇改善加算について他のサービスと比較して最も高い加算率として14.5%から訪問技能のある職員との配置による24.5%まで取得できるように設定した。今回の改定の考え方を踏まえて、これも小林委員にも答弁させいただいたところだが、現在の小規模の事業所が必ずこの処遇改善加算を取得できるように、我々としても応援をした上で、この改定全体としてこの基本方針の設定と、処遇改善加算に力を入れて改定しているということを報告したいと思う。さらに加えて、今回の改定で訪問介護について、看取りの充実、認知症の加算の充実、特定事業所加算に看取りも含めたより上位の加算も取得できやすいような仕組みも入れているので、これを全体として訪問介護が今回の改定に対応できているように我々としても周知応援を重ねていきたいと考えている。

 認知症施策地域介護推進課長の回答は、訪問介護は人件費率が高いことなどから、処遇改善加算関係に力を入れて改定したとの内容で、基本報酬の引き下げには直接言及しなかったものの、基本報酬は引き下げたが、処遇改善加算関係でカバーしているとの解釈ができます。

 そこで、現行の訪問介護報酬と改定後の訪問介護報酬について、処遇改善加算関係を合わせて次の通り試算をしてみました。

<現行>
身体介護 30分以上1時間未満の場合 396単位(基本報酬)
処遇改善加算Ⅰ 13.7%、特定処遇改善加算Ⅰ 6.3%、ベースアップ支援加算 2.4% =計22.4%(処遇改善加算関係合計算定率)
 396単位 22.4%加算 484.7単位(処遇改善関係を含めた報酬)
<改定後>
身体介護 30分以上1時間未満の場合 387単位(基本報酬)
処遇改善加算Ⅰ 24.5%(一本化される処遇改善加算算定率)
 387単位 24.5%加算 481.8単位(処遇改善関係を含めた報酬)
 
 
484.7単位(現行)-481.8単位(改定後)=-2.9単位
処遇改善関係を入れてもマイナス改定!

 これらの試算を見ていただければ、改定後の基本報酬に処遇改善加算関係をプラスしても、トータルでマイナスになります。基本報酬に限っても、最大幅の処遇改善加算関係を入れても、訪問介護はマイナス改定だということが明らかです。

【認知症施策地域介護推進課長の回答に対する鎌田松代代表理事の意見及び要望】

 訪問介護事業所の方々は、加算よりもやはり基本報酬の引き上げを望まれていたと思います。

 小規模な事業所が処遇改善加算を取得しやすいように応援するとのことですが、今までの対応では難しかったところがありますので、引き続き、今まで以上の支援の方をお願いしたいと思います。

 鎌田松代代表理事は、基本報酬の引き上げが望まれていたことを再度確認し、小規模事業所においても上位の処遇改善加算算定ができるように必要な支援を求めました。

 訪問介護基本報酬引き下げに関する他委員の意見及び質問について紹介します。

【小林司氏 (日本労働組合総連合会総合政策推進局生活福祉局長)発言メモ】

 訪問介護の基本報酬について、令和5年度介護事業経営実態調査では、訪問介護の給与費の額と比率は下がっていて、常勤換算1人当たり給与費は上がったところと下がったところがありましたので、処遇改善加算を今回高い加算率で設定することで、賃金の引き上げへの配分が高まることへの期待はあります。ただ、同時に考慮すべきは、可能な限り利用者の尊厳ある在宅生活を支えていく上で、基本報酬が引き下げとなってサービスの持続可能性は大丈夫か心配になります。昨年11月16日の第231回分科会で実調の結果をご説明いただいた際には、このようなご指摘ご説明でありました。

 訪問介護は収支差率が2%上昇、収入はほぼ変わらず支出が減少した結果、収支差率としては上昇しているが、増加額としては訪問介護で約6万円といった数字で実質的には経営改善への影響は限定的ではないかと考えているという認識でございました。また11月6日の第230回分科会で訪問介護を議論した際にも、資料には、令和5年度の訪問介護事業におけるサービス提供の実態等に関する調査研究事業の結果が紹介されていまして、その中で令和4年度の収支差の状況について地域区分1は、回答数が少数のためそれを除いた集計という数字ではありましたが、黒字が32.8%、赤字が34.1%、収支均衡が32.2%となっていまして、これらのサービス需要に応えていくためにそれぞれの地域で事業継続が可能なようにしなければなりませんし、今回のことが訪問介護の現場で働く人や、これからも介護を目指そうとする人に、何か誤ったメッセージやイメージを与えてはならないと思います。そこで質問なんですが今回、基本報酬を引き下げても大丈夫という考えに至ったことについて詳しく教えていただけないでしょうか?よろしくお願いいたします。

【認知症施策地域介護推進課長の回答メモ】

 今回の改定率の考え方は冒頭老健課長の説明でも言及したが、改定率については介護現場で働く方々の処遇改善を行いつつ、このサービスごとの経営状況の違いも踏まえた、メリハリをつけた対応を行うという考え方に基づき、また処遇改善への改善分を除いた改定率についても賃上げ税制を活用しつつ介護職以外の処遇改善を実現できる水準として措置したものである。こうした考えを踏まえて訪問介護についても、メリハリをつけた対応という中で処遇改善加算の引き上げ、また加算の一本化の取り組みをあわせてご評価いただきたいと思っている。我々としては訪問介護において、まず処遇改善の加算の効果もしくはそれを確実に取れるような方策ということを応援することをもって、訪問介護においてしっかり行われるようにやっていきたいと考えてる。

【小林司氏 (日本労働組合総連合会総合政策推進局生活福祉局長)発言メモ】

  その施行時期についても基本方針は4月施行で、処遇改善は6月で場合によってはそれ以降ということでありましてその辺の状況も心配するところです。利用者の尊厳ある在宅生活はもちろんのこと、私達働く世代にとっても介護離職のない社会を確立していくことが重要だと考えていますので、施行後の状況についてはくれぐれも注意を払っていただきいただくよう要望いたします。

  また今回の審議報告では、特に訪問介護などのサービスでは人員不足は顕著であり賃上げを初めとする人材確保への対応は喫緊の課題という認識が共有されました。他の項目としても、訪問介護人材の確保ということを立てていただきまして、ハラスメント対策ICTの活用等を含めた働きやすい職場作り、質の高い介護サービスを担保できる体制等の検討推進必要なサービスを安定的に提供することができるよう、人材確保に係る課題を把握した上でさらに訪問介護人材の確保に資する対応を総合的に検討していくべきことと見込まれています。この審議報告に沿ってしっかりあの実現実行されなければならないと思いますので、今応援していくという決意おっしゃっていただきましたが国としても取り組みの促進に向けてぜひ意見していただけますよう、ぜひよろしくお願いいたします。

【石田路子氏 (NPO法人高齢社会をよくする女性の会理事)発言メモ】

  訪問介護の関連です。

  参考資料の5には収支差率というのが示されておりまして、そこには介護の施設が全部マイナスなところ、訪問に関しては非常にプラスになっているというような結果が示されております。一方で今もお話もありましたけど、実際には多くの事業所が閉鎖や廃止するというような現実が、もうずっと続いております。これをどう判断するかというところで、今ご説明にもあったように今後そういった小規模な事業所においても、そのよう処遇改善加算の取り組みと、それからその他応援していく中で、ぜひ事業の継続を望むというようなご回答がございましたけれども、実際に本当に今回のこの処遇改善加算が基本報酬を下げた中で加算をすることで各事業所がどのぐらい事業を継続していけるのか、もっと言えばその事業がさらにプラスの方向に向かっていけるのか、その実態についてはしっかり把握して、状況を判断していく必要があるのではないかなと思っております。訪問介護、ひとくくりで、その収益が高いというのではなしに前からずっと申し上げておりますように、その訪問介護の中身でも同一敷地内等の訪問とまた全然違うというところを踏まえて、もっと精密な実態の調査っていうのが必要になってくるのではないかなと思っておりますので、ここは強くお願いしたいと思います。

【及川ゆりこ氏 (公益社団法人日本介護福祉士会会長)発言メモ】

  お三方の方ご意見にもありました訪問介護系の基本報酬のことで意見申し上げます。

  参考資料164ページに書いてありますが、身体介護、生活援助、通院等乗降介助全てにおいて報酬が下がっているということで、訪問介護のところだけなぜ引き下げられているのかということについて極めて遺憾でございます。

  処遇改善で手厚くしていると表現されておりますけれども、訪問介護サービスの職員構成は介護福祉士を初め介護職員のみであることを踏まえると、処遇改善で高い割合なのは当然であると考えられます。我々割合が高い大きいとしましても、そもそも単価も低く、規模が小さい訪問介護において、数字としては大きいものではないと言えるのではないでしょうか?他方で基本報酬が2%以上下がると、結果として収入がマイナスとなる事業所もあるのではないかと考えております。

  今後、地域の中で、要介護者の中重度化が想定されることを踏まえれば、在宅ケアを充実させる必要があります。訪問介護サービスは極めて重要なサービスのであるはずです。

  なぜ今回基本方針の見直しで訪問介護を引き下げるのか、これについては他の委員の方からも質問がございましたが、今でさえ人材不足の深刻度が極めて高い訪問介護サービスの持続可能性について、また今後の在宅系をどのように担保していこうと考えておられるのかについて具体的な説明をお伺いしたいと思います。

【認知症施策地域介護推進課長の回答メモ】

  指摘いただいた通り、訪問介護のサービス類型においては人件費の割合が高く、また人手不足という問題があるということも承知している。だからこそ、今回の改定においては処遇改善を最優先に、まず補助金による加算を先行させた上で、先ほど施行時期も異なるということも説明しましたが、6月からこの処遇改善加算の新しい仕組みをスタートさせ、最大24.5%加算まで取れるようにしているし、賃金体系の整備や一定の月額賃金配分による14.5%の加算もこれからスタートするわけである。まだ取れていない事業所もあるということで、取得促進等々をしっかり行った上で、今回の改定では処遇改善に力を入れさせたい。それこそが、この訪問介護の人手不足にもまず行わなければならない対策であるというふうに考えている。いずれにしても、この訪問介護のサービス全体をしっかりこの仕組みと改定の意義とが伝わるように努力してまいりたい。

【及川ゆりこ氏 (公益社団法人日本介護福祉士会会長)発言メモ】 報酬が変更されないということであれば、3年ごとではなく今後毎年しっかりこの訪問介護の事業については検討調査も続けていただきたいと思います。

【稲葉雅之氏 (民間介護事業推進委員会代表委員)発言メモ】

  今回の報酬改定については、介護現場で働く方々の処遇改善や物価高騰等によるサービス等のサービスごとの経営状況を踏まえたメリハリのある対応をとされているわけですが、在宅介護を支える基幹的なサービスである訪問介護、これは164ページに示されておりますが、この基本報酬のマイナス幅については、単位数から単純に計算しますとそれぞれ2.3%前後引き下げということになっております。私は以前からこの分科会で、人材確保は喫緊の課題という言葉すら生ぬるいんではないかということを申し上げてまいりました。特に確保が厳しいのがこの訪問介護のヘルパーであります。日常の生活援助や身体介護で利用者の在宅生活を支えるばかりではなく、コロナ禍や自然災害によって、施設が機能を失ったときでも、ヘルパーの存在によって生活が継続できたという方は少なくないはずであります。しかし、募集しても集まりません。他のサービスに比べて、高齢のスタッフが多いしかし代わりがいないから、なかなか退職やお休みも十分に取れないというのが現状です。外国人の活用については、自動車運転や密室での単独介護であるという点から、さらに入所や通所と違って資格が必要であるということから、訪問介護ヘルパーとしては、活用が進んでいかないのが現状です。ところで、同一建物における訪問介護と、それ以外の訪問介護の間では、事業収支結果に決して小さくはない差が存在をしております。これは他の委員の方からもご指摘が先ほどからありました。先の経営概況調査を見ますと、3%以上の開きが見て取れます。同一建物の方が明らかに収支がプラスで出ているということです。今回の経営実態調査において、訪問介護の収支差率は7.8%が示されておりました。しかし、これには同一建物における訪問介護が含まれているものであり、同一建物におけるものを除いた訪問介護は7.8%よりだいぶ低いはずであると。引き下げられる対象としては適当ではないということを感じます。同一建物内の訪問介護については、同一建物減算をさらに強化するということで今回は対策済みであると考えております。それにも関わらず、一律に訪問介護の基本報酬が引き下げられるということは、理解に苦しむものであり、大変遺憾と言わざるを得ません。より細かい分析による対策を講じるべきであると考えます。別の点から、訪問介護の特定事業所加算についてですが、これは資料の4ページの方に書かれております。果たして取得しやすくなったのでしょうか?上位の加算を取得するための、新設された看取りに関する要件を一般の会訪問介護事業所が満たすことは決して簡単ではないと思います。基本報酬が下げられて、加算もダウンするようでは、経営環境は厳しくなり、撤退を余儀なくされる事業所が出てきてはしまわないかと危惧をしております。この厳しい事態を何らかの方法で、対応していただけることを強く希望いたしまして、発言を終わらせたいと思います。よろしくお願いします。

【江澤和彦 (公益社団法人日本医師会常任理事)発言メモ】

  これまで複数の委員のご発言もありますように今回訪問介護の基本報酬が2%超、定巡の基本報酬が4%を超えるマイナスとなっています。訪問介護は最も介護業界の中で最も人材不足が著しく、2023年の倒産件数も67件と過去最高との報道もあったところでございますので、このあたりがどのような影響を及ぼすのか見ていく必要があります。特に在宅医療においては、訪問介護があって初めて在宅医療を継続できるものであって、訪問介護のサービスがなくなると在宅医療は容易に破綻をするという側面を持っておりますから、この辺り慎重にまたぜひ見ていただければと思います。

 当会鎌田松代代表理事の他、多くの委員が訪問介護の基本報酬が引き下げになったことに対し、大きな疑問と懸念を示す発言をしました。在宅介護の肝である訪問介護は認知症要介護者とその家族にとって必要不可欠なサービスです。

 試算をする前は処遇改善加算等で基本報酬の引き下げを補えるならと、ぎりぎりのラインで妥協する余地も無きにしも非ず、でしたが処遇改善を加味してもトータルでマイナス改定ですので、全く納得のいく内容ではなくなったと判断できるのではないでしょうか。

 最後に、このレポートが、審議の全てをお伝えするものになりえないことをご理解いただき、今回のテーマを含め、取り上げていない問題にも、意見・質問がございましたらお寄せください。

(まとめ・文責  介護保険社会保障専門委員会 志田信也)

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