2020年総会アピールを発表

公益社団法人認知症の人と家族の会では、2020年6月6日に開催(Web会議)した総会において、総会アピールを発表しました。

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いま、この時だからこそ、つながり、励ましあう活動をもっと広げ 社会保障最優先の社会の実現に向け、さらに声を上げ続けます

認知症の人と家族の会 総会参加者一同

 結成40周年を迎えた今年の総会は、新型コロナウイルス感染症の拡大防止のため、全国から仲間が集まることが不可能となり、書面議決という形で開催しました。

 まずはじめに、感染が拡大する中、自らが感染する危険にさらされながら、認知症や多くの患者・家族の命と暮らしを守り、支えるために最前線で奮闘される保健・医療関係者、介護・福祉現場の皆さん、ライフラインを維持するために働く皆さんに、心から尊敬と感謝の意を表します。私たちも一日も早く安心できる日常を取り戻すために、できる限りの努力を続けます。

 社会とのつながりが欠かせない認知症の人や介護家族にとって、外出も、人と会うこともままならない状況が長く続くことによる心身への悪影響は計り知れません。このような時こそ、「家族の会」が大切にしてきた、本人同士家族同士の、励ましあい助けあうための活動が大きな役割を果たしています。人との距離を保ちにくく、対面で接することの多い「つどい」や認知症カフェの実施は困難な状況ですが、私たちが、結成以来培ってきた「つながる」活動の一環としての「会報」「電話相談」を維持するために、全国の世話人が協力しあっているほか、電話や手紙に加え、インターネットを使ったウエブ会議などの工夫を重ね、認知症の人と家族に安心を届ける取り組みも始まっており、「新しい生活様式」に見合う活動スタイルにも挑戦しています。

 一方、新型コロナウイルス感染症は、医療や介護、福祉の政策や体制の脆弱性を浮き彫りにし、認知症や介護の課題がより鮮明になりました。まず、医療崩壊、介護崩壊をまねかないために奮闘している現場に対する財政的支援をはじめ、物心両面にわたるあらゆる支援が緊急に必要なことは言うまでもありません。しかし、それに留まらず保健・医療・介護・福祉などの社会保障を最優先に据え、日ごろから様々な事態に対処できるよう備えておく政策に、抜本的に転換することなしに私たちの不安は解消しません。

 結成40周年を迎えた私たち「家族の会」は、未曾有の新型コロナウイルス感染症に遭遇した2020年を、認知症になっても、大きな災害が起こったとしても、人としての尊厳が守られ、安心して暮らせる社会を実現することを改めて決意する年とし、これからも仲間の輪を広げ、社会に声を上げ続けることをここに表明します。

以上

新型コロナウイルス感染症の感染拡大を受け、参集による総会は行わず、全国をオンラインで結び、Web会議形式で実施された。
オンライン開催の様子
参加者の集合写真

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