会員さんからのお便り

介護保険制度の改定に向けて

福島県・K さん 58 歳 女

●福島県いわき市に住んでおります。この度の大震災時、3 月末に安否確認電話があり、とても励まされました。ありがとうございました。
●私は現在、居宅介護支援事業所で仕事をしております。今回の災害で利用者が県外へ避難したり、原発事故で福島県浪江町からいわき市へ避難されている方の相談等を受けています。「介護の社会化」の理念で開始されたはずの介護保険なのに、その機能を果たしているのか? 疑問に思うことが多々あります。医療保険は「保険証」があればすぐに医療サービスが受けられるのに(今回は保険証がなくても医療サービスが受けられました)、介護サービスは要支援になったらどうするか、要介護の認定だったらどうしようか? 等、振り回されている感じです。2012年の改定に向けて少しでも利用しやすく、社会保障としての介護保険制度になるように皆さんと力を合わせていきたいと思っています。

少しずつ前へ進んでいるようです

宮城県・Y さん 63 歳 女

この度の大震災では全国の皆さんからのご支援をいただきまして県民として心よりお礼申し上げます。
わが家は山の方でしたので、津波の被害はなかったのですが、義兄夫婦のところは全部流され、現在わが家で一緒に生活しています。市内はがれきの山で、まだまだ手の付けられない状態ですが、全国からのボランティアの皆さんの協力もあり、少しずつ前へ進んでいるようです。
気仙沼の会員の皆さんは私の知る限り無事のようでした。

手を握って抱きしめるだけ

青森県・Y さん 63 歳 女

先日の大震災のお見舞い電話、大変ありがたかったです。寝ている本人も大変怖かったと思いますが、発語がなかったので…手を握って抱きしめることしかできませんでした。いつも通りの生活をしていますので、まあ一安心していますが。
私たち八戸に住んでいるものは、十勝沖、三陸はるか沖と地震には凄く怖い思い出が残存しています。

胸中の悪魔が…

広島県・T さん 64 歳 女

私は、68 歳でアルツハイマー5 年目の主人と、主人の妹63 歳、体重33 キロ、知的障害と骨粗鬆症、パーキンソン病の二人を家で介護しています。
主人の若いうちは酒乱で苦しめられ、定年後ぼけて、夜中に何度となく起こされ、枕から頭の先を落とし大口開けて寝ている姿を見て、今だと自分が楽になるかも…。
ぶらぶらと廊下を歩く妹の痩せ細った体にだぶだぶのパジャマ、背中を捕まえて「どうして元気にならんの」と怒鳴りたい。胸中の悪魔が思った瞬間、とめどなく涙が流れる。少々お疲れ気味かなあ…。大丈夫、理性があるから。

自己介護としての仕事の場を

三重県・S さん 78 歳 男

私の妻は昨年秋に脳血管性認知症で要介護1と認定され、週5回のデイサービスを受けています。妻は元来行動的な性格で小中学校の養護教諭を勤めた後、私の亡父の世話、認知症になった実母の介護をした後、多種の趣味の会に参加し、地域のボランティア活動などもしてきましたが、次々と辞めていきました。
デイサービスでは職員の皆さんに大変よく世話をしてもらえるので、ありがたく感謝しています。しかし、思うことがあります。親の入所のため施設を見学した人が「まるで幼稚園ではないか」と驚いたという話をしていました。それは健常な人が誰しも感じる情景でしょう。同時に認知症患者も「子ども扱い」という抵抗感を持つ人も少なくないでしょう。
そこで一つ思うのは、何か仕事を与えることで眠っている能力を活用するような「介護」の方法が考えられないかということです。人間の最高の生きがいは仕事を持つことです。妻からもまた、脳梗塞で認知症になった私の姉からも「どこか働きに行こうと思うの」という言葉を聞いたことがあります。「80歳も過ぎた(認知症の)人間を雇うところなんかないよ」と、一笑に付したものの、人間には働きたいという気持ちが非常に強いことを改めて知ったのでした。
そこで、介護施設に症状に応じた仕事の場があれば有効な介護になるのではないでしょうか。ただ、仕事となれば当然、報酬、労働関係法規、施設側の管理や運営など様々な問題が付随してきますが、福祉施策という視点から特例法を設けることでまったく不可能ではないと思います。サービスを与えることが中心の現状の介護と同時に患者自身が残存能力を活用できる自己介護の場を期待する次第です。

地域外となり通所できなくなった

岐阜県・K さん 女

義母は84 歳で要介護3、身体は元気で足も丈夫ですが、頭の中は徐々に悪くなり、特に食べ物に対しては大変で、炊飯ジャーに手を入れて「おにぎり」を作り(食事をして数分後に)自分のベッドの下に隠したり、調味料や乾燥わかめ、だしの素、砂糖なども食べる始末、食べ過ぎてはトイレを汚す。夜中は義父のお菓子などをあさっています。醤油もマグカップなどに水を入れて飲む、手のひらに垂らしてなめるなど異常行動も出ています。今は調味料などは台所以外の部屋に置き、鍵をかけています。
でも、デイサービスに行くときは髪を整え、お化粧をしていきます。5 年半ほど認知症対応型デイサービスに通所していましたが、3 月末で行けなくなりました。理由は施設の建物が新しくなり移転するためです。地域密着型で、地域外なので。デイの施設の方がいろいろ考えてくださったのですが受け入れ側の行政の方からはよい返事がなくダメでした。
喜んで通所していたデイに行けなくなるのは可哀そうで義母に言えず、デイのリーダーの方から傷つけないように上手に伝えてもらいました。3 月30日が最後の日で私も挨拶に行ってつらい思いがしました。
夕方、義母のデイ用のカバンの中に一通の手紙が入っていました。同じ利用者の方からで、主人も私も泣きながら読みました。
認知症の人がこんなに素直な心で手紙が書けることに感動しました。
大垣の「家族の会」に行った時に手紙を読んでいただきましたら皆さん感動されました。この会に出会えたことに感謝しています。義母は4月1日から一般のデイサービスに通所しています。

2011年6月25日発行会報「ぽ~れぽ~れ」371号より

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