認知症の父が、持病の治療のための通院を拒否するので悩んでいます。

つどいは知恵の宝庫~介護初心者の悩みに応える~

全国の支部で行われている家族の「つどい」。その中で出てきたいろいろな悩み。その悩みに応える形で、介護初心者の悩みにお答えします。会報ぽ~れぽ~れの人気記事の抜粋です。

認知症の父が、持病の治療のための通院を拒否するので悩んでいます。

同居する父(63 歳)は、3 年前に認知症と診断されました。最近は、突然興奮して怒鳴ったり、暴れたりすることもあります。これまで内科疾患で通院していましたが、半年前からは「俺は病気じゃない」と通院を拒否するようになりました。一度は強引に病院へ連れて行ったのですが、待合室で興奮し、看護師さんから「もう少し落ち着いてからでないと、治療できません」と言われてしまいました。どうしたら良いのでしょうか? (35歳・娘)

看護師:まず先に認知症の症状についての相談を 興奮したり暴れたりという状態をそのままにしておいてはこれから大変です。まずは娘さんだけでも、認知症の診断を受けた病院の主治医に最近の変化について話し、今の症状を和らげる薬がないか相談してみてはいかがでしょうか。落ち着いていただくことができれば、内科の治療に専念できるかもしれません。

世話人:受診拒否の理由を探ってみましょう ご苦労お察しします。私は義母を受診させるたびに「大儀だろうけど、何とかお願いします」と気持ちを落ち着け、ゆっくりと語りかけるようにしています。
お父様の場合も、待ち時間が長いとか医師の質問が嫌など何か理由があるのかもしれません。ぜひ、機会を見て、本人に理由をうかがってみてはいかがでしょうか? 受診拒否の解消につながる可能性もありますよ。

医師:病院を変えてみてはいかがですか 病院によって、認知症に対する理解度は全く異なります。どこまで協力してくれるかを見極めることも重要です。思い切って、別の病院を選ぶという選択肢も考えてみてはどうでしょうか。

介護経験者:受診ばかりのことを思いつめないで 介護する側もストレスを溜め過ぎないことが大事です。今すぐ無理に病院へ連れて行くことばかりを考えず、特に緊急の症状もないようなら、そのまま様子を見たらいかがですか。

薬剤師:受診回数を減らすことができる場合もある 主治医に相談してみましょう。病気の種類によっては、通院の回数を減らして薬だけを処方してもらいながら様子を見るということができる場合もあります。

介護支援専門員:訪問診察の利用も考えては 医療・介護の制度利用を検討してはどうでしょうか? 病院や診療所が経営しているデイケアなどに通うことができれば、そこがなじみの場所になり、通院日の抵抗も少なくなるでしょう。ご本人が受診したがらない場合には、訪問診療・訪問看護などの利用も考えられます。

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