アメリカ食品医薬品局(FDA)でのドナネマブ承認について(代表理事コメント)

7月2日にイーライ・リリー(米国)のアルツハイマー病の新薬「ドナネマブ(製品名:キスンラ)」が米国で正式承認された件について、代表理事のコメントを発表しました。(2024年7月17日)

アメリカ食品医薬品局(FDA)でのドナネマブ承認について(代表理事コメント)


公益社団法人認知症の人と家族の会
代表理事 鎌田 松代

 7月2日にイーライ・リリー(米国)が開発したアルツハイマー病の新薬「ドナネマブ(製品名:キスンラ)」が、アメリカ食品医薬品局(FDA)で正式承認されました。アミロイドβに対する抗体製剤としては、迅速承認を除けば、FDAによる2番目の正式承認薬となります。

 この承認に対して、アルツハイマー病治療の新しい選択肢が増えたことを、大変喜んでいます。関係者のこれまでの長い年月のご尽力と熱意に、感謝申し上げます。

 この新薬が、日本においても一日も早く承認され、治療を待ち望む人達が、身近な医療機関で適切な価格で安全に使える薬となることを望みます。また、この分野へのさらなる研究・開発が行われることも望みます。

 一方で、治療の対象となるのは軽度認知障害(MCI)、軽度アルツハイマー病の方と聞いています。対象とならない人も含め、認知症は早期発見・早期治療が大事だという考え方の普及や地域づくりなど、先の新薬が登場したことで見えてきたいくつかの課題についても、整備されていくことを強く望みます。

 そして、認知症の人やその家族等への支援は、暮らしに基づいて、当事者目線に立ち、気持ちに寄り添った医療や仕組みづくりが大切です。1月に施行された「共生社会の実現を推進するための認知症基本法」の内容が具現化され、だれもが安心して自分らしく暮らせる社会になることを期待します。

以上

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