厚生労働大臣からのメッセージ(世界アルツハイマーデー2023)

2023年度の「世界アルツハイマーデー」に関して、厚生労働大臣からのメッセージが届きました。(2023年7月)

2023年度「世界アルツハイマーデー」に寄せて

 2023年度「世界アルツハイマーデー」を迎えるにあたり、一言お祝いの言葉を申し上げます。

 1994年に国際アルツハイマー病協会(ADI)が世界保健機関(WHO)と共同で毎年9月21日を「世界アルツハイマーデー」と制定してから、今年で30年目を迎えます。この間、我が国でも「認知症の人と家族の会」の皆様にご尽力いただいた結果、認知症に関する普及啓発の輪が広がってまいりました。長きにわたり会を支えられた鈴木前代表理事、本年6月に代表に就任された鎌田代表理事をはじめ、関係者の皆様の御尽力に深く敬意を表します。

 また、本年5月には、G7長崎保健大臣会合開催記念認知症シンポジウムにおいて、世界に向けて「共生」及び「リスク低減及びイノベーション」の重要性を発信することができました。その際には、「認知症の人と家族の会」の皆様に多大なる御尽力いただいことについて重ねて御礼申し上げます。

 さて、諸外国に例を見ないスピードで高齢化が進展している我が国では、認知症の方が2025年には約700万人に増加するという推計があり、認知症施策の一層の推進が求められている中で、本年6月に、「共生社会の実現を推進するための認知症基本法」が成立しました。同法では、認知症の方を含めた国民一人ひとりがその個性と能力を十分に発揮し、相互に人格と個性を尊重しつつ支え合う「共生社会」の実現に向け、認知症に関する正しい知識や、認知症の方に関する正しい理解を深めることが必要とされています。認知症の「症状」についての正しい知識はもちろんのこと、認知症になっても希望や尊厳を持って暮らすことができること、また、現に日常生活を活き活きと営んでいる認知症の方々が多数おられることを知っていただき、認知症に対する理解が社会全体に広がっていくことが重要であると考えています。

 厚生労働省においては、認知症の方ご本人を「希望大使」として任命し、自らの体験をご自身の言葉で語っていただくことで、認知症に関する普及啓発を推進する等の取組を進めてまいりました。このような取組が、草の根的に広がるよう、2020年からは、各都道府県にも「地域版希望大使」の任命をお願いしております。

 こうした「共生社会」の実現に向けた取組を推進していくためには、関係団体の皆様との連携が不可欠です。引き続き、皆様のご協力を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます

 この「世界アルツハイマーデー」を通じて、国民一人ひとりの認知症への関心を一層高めるとともに、正しい理解を深めていただくきっかけとなることを心から期待しております。

 最後になりますが、認知症の方とその家族の皆様方のご多幸と、「認知症の人と家族の会」をはじめとした関係団体の皆様の益々のご発展を祈念して、私のお祝いの言葉といたします。

厚生労働大臣 加藤 勝信

あなたも「家族の会」の仲間になりませんか?無料で資料をお送りします。