コロナ禍でも、認知症の人も家族も安心して過ごせる社会の実現を

「家族の会」では、2021年6月5日(土)に20201年度総会をオンラインで開催し、総会アピール「コロナ禍でも、認知症の人も家族も安心して過ごせる社会の実現を」を発表しました。

   

総会の様子は、Youtubeによってライブ配信を行いました。

コロナ禍でも、認知症の人も家族も安心して過ごせる社会の実現を

 2021年6月5日

公益社団法人 認知症の人と家族の会 総会参加者一同

 本日、「家族の会」結成42回目の総会を、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、昨年度に続き書面議決という形で開催し、さらに代議員とオブザーバー参加の会員の皆さんとオンラインで意見交換を行うことができました。

 この1年、新型コロナウイルス感染症のまん延による不安と緊張が続く中、私たちは「新しい生活様式」を受け入れ、自粛生活を続けています。

 このような状況の中でも、認知症の人と家族が悩みや苦しみ、喜びをともにすること、つながり励ましあうことが前を向く力になることを信じ、“つどい”“会報”“電話相談”の三本柱の活動を継続するための工夫と努力を重ねてきました。また、戸惑いながらも、インターネットで互いの顔を見ながら話のできるシステムにも挑戦し、新たなコミュニケーションの場づくりも進めました。

 しかし、感染は収束に向かうどころか、第4波の到来で三度目の緊急事態宣言が出されました。長期間人と人との触れ合いが制限されることにより、認知症の症状の悪化や社会からの孤立のおそれがますます強まっています。私たちの切実な願いのひとつである介護施設や病院での面会制限の緩和も一進一退であり、県をまたいだ遠距離介護も引き続き困難な状況です。今や、自粛を求めるだけでなく、安全に触れ合える面会の工夫のいっそうの促進とワクチン接種の迅速な推進、無症状陽性者を早期に把握するための「社会的検査」体制の拡充など、症状悪化の防止や家族とのかけがえのない時間を取り戻すための施策の実施が強く望まれます。

 また、多くの人が、コロナ禍による貧困や格差拡大という大きな社会的な危機に直面している中でも、国は、憲法でうたわれた国の責任よりも、自己責任を強調した「自助」と家族や地域で互いに支え合う「互助」を求めています。75歳以上の高齢者の医療費2割負担導入や介護保険における自己負担増と給付削減は、私たちの大きな不安に追い打ちをかけています。国が「公助」として、認知症の人も家族も安心して生活するための施策を実施することを強く求めます。

 私たちは、10年後を見すえた活動計画「2030年に向けたビジョン」を掲げ「認知症になっても安心して暮らせる社会」をめざして今後も活動を広げ発展させていきます。そして、コロナ禍が続く中でも、認知症の人も家族や支援者も、孤立せず、心を通わせて安心して過ごしていけるよう、互いに力をあわせるとともに、社会に訴えていきます。

以上

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