総会アピール2024を発表!

2004年6月8日(土)に開催した公益社団法人認知症の人と家族の会2024年度第15回(通算45回)総会において、総会アピールを発表しました。

共生社会の実現のために私たちの声をさらに届けていこう
―当事者の声の発信で負担増と給付削減も押し戻そう―

2024年6月8日

公益社団法人 認知症の人と家族の会 総会参加者一同

 本日2024年度 第15回(通算第45回)総会を、全都道府県から149名の代議員が参加して開催することができました。認知症の人と家族の会の活動もほぼ通常にできるようになりました。

 今年1月1日に施行された「共生社会の実現を推進するための認知症基本法」には「当事者参画」が謳われています。「認知症の人が自己に直接関係する事項に関して意見を表明する機会及び社会のあらゆる分野における活動に参画する機会の確保を通じてその個性と能力を十分に発揮することができるようにすること」と記され、認知症の人、そしてその家族等の意見を積極的に聞き、研究開発や暮らしの改善に役立てることが期待されます。

 最近、認知症においても「患者・市民参画(PPI)」の仕組みをつくる動きがあり、また疾患修飾薬による治療が本格的に始まるなど認知症をとりまく状況は変化しています。一方で認知症の病態は幅広く、家族構成や関係性が変化する中で、取り残されて一人で悩む人がでないように、声を出していく必要があります。昨年度、当会が実施した診断直後からの支援の実態を把握するピアサポート調査では、その効果と課題が明らかになりました。ピアサポートは認知症の人と家族を力づけ導く灯です。そして、ピアサポート活動をさらに深化していくために、認知症の人を介護する家族支援の提言づくりを進めていきます。行政はじめ企業・団体・研究者・医療・福祉関係者とともに私たちも学習しながら、認知症とともにある共生社会の実現をめざして、認知症の人と家族と市民とが尊重し活かし合える活動を続けていきます。

 共生社会の理想的な未来を描こうとするとき、現実の介護のある暮らしをみると、その要となる第9期介護保険制度改正では、先が見えない不安がますます募る事態となりました。限りある財源、深刻な人材不足の中で、4月からの介護報酬改定では全体の報酬引き上げという実質的な負担増に当会の委員も賛成しました。しかし、人手不足が一番深刻な訪問介護の基本報酬の引き下げは想定外であり、これは、事業所の経営難や福祉人材不足に拍車をかけ、サービス利用に対応できない事態となって、在宅介護の継続を困難にさせています。介護保険がめざした介護の社会化の維持のためにも福祉人材の確保とサービスの維持を切望します。併せて介護保険制度での介護の質の低下、負担増と給付削減の流れを押し戻すため、他団体とも連携し当事者の声を発信し続けます。

 私たちの願いは自分らしく生きる、豊かな暮らしの実現であり、「認知症になっても安心して安穏に暮らせる社会」です。この共生社会の実現とも言える私たちの活動の維持、発展になお一層務めていきます。

以上


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