介護保険法 改正における緊急アピールを発表!

当会では「補足給付、高額介護サービス費の見直しに断固反対する緊急アピール」を発表しましたのでお知らせします。

アピールの内容は、第88回社会保障審議会介護保険部会(12/16)での2021年度(第8期)介護保険法改正における、補足給付と高額介護サービス費に対する負担増案について反対するものです。

ご一読いただくとともに、広く拡散いただきますよう、お願いします。

緊急アピールを読み上げる鈴木森夫代表理事(左から3人目)
2019年12月25日、厚生労働省記者クラブにて

消費税増税の上に、さらに利用者を苦しめる介護費用の負担増は許されない
補足給付、高額介護サービス費の見直しに断固反対する緊急アピール

2019 年12 月25 日
公益社団法人 認知症の人と家族の会

12 月16 日の第88 回社会保障審議会介護保険部会において、2021 年度(第8期)介護保険法 改正における、補足給付と高額介護サービス費に対する負担増案が示されました。

私たち公益社団法人認知症の人と家族の会は、この案に断固反対します。

この負担増は、制度の持続可能性に貢献するところは極めて小さいにもかかわらず、消費税が 10%に引き上げられ、後期高齢者の医療費負担も1割から2割に引き上げられようとしている中、利 用者・家族への経済的影響は極めて大きいものであり、絶対に認めるわけにはいきません。

今回示された補足給付(特別養護老人ホームなどの介護保険施設の入所者やショートステイ利用者の食費、居住費についての住民税非課税世帯に対する助成)の見直し案は、入所者につい ては、年金月額10 万円以上の人に対し1か月の負担を2万2千円増やすというものです。また、ショートステイ利用者についても、年金収入額に応じて、食費を日額210~650 円を増額する案です。

少ない年金で何とかやり繰りして暮らしている人たちにとって、あまりにも酷な仕打ちです。さらに2015 年8月に導入された資産保有者を補足給付の対象から外す「預貯金等の資産要件」も、単身で1千万円超から、収入額によって650 万~500 万円超に引き下げるという案です。これによって、補足給付そのものが受けられなくなり、4年前のように入所費用が一度に倍になる人も出てきます。

さらに、2割、3割負担導入時に、負担限度額の仕組みにより大きな負担にはならないと言われた「高額介護サービス費」の上限額についても、2年前に月4万4千円に引き上げたばかりなのに、今回さらに見直しを行い、年収に応じて9万3千円~約14万円に引き上げ、最大3倍を超える負担となる案が示されました。

これらの重大な負担増案ついては、事前に審議会委員にも示されず、審議会当日に明らかにされたものです。しかも、結論を得る予定の年末までに、会議はあと一度しか予定されておらず、提案内容も問題ですが、手続き的にも全く納得ができるものではありません。

また、審議会に論点として提示されていた負担増・給付削減の項目のうち、多床室室料の負担増、ケアマネジメント有料化、生活援助の総合事業への移行、2割・3割負担の対象者拡大についての「引き続き検討が必要」という結論は、利用者・家族に「不安の持続」を強いるものにほかならず、容認できません。

認知症の人と家族の会は、10 月26 日の支部代表者会議のアピールで、「国は、憲法25条の『すべての生活部面において、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない』との趣旨に沿った政策に転換すべきである」と訴えました。私たちは、介護保険の次期改正における、補足給付、高額介護サービス費の見直し案を取り下げるとともに、今回「引き続き検討することが必要」とした他の項目についても、同様に取り下げるよう強く求めるものです。

以上

あなたも「家族の会」の仲間になりませんか?無料で資料をお送りします。