新型コロナウイルスの感染症拡大の深刻化により、世界中の認知症の人や家族は、いつにも増して日々の暮らしが困難になっています。この状況に応えて各国関係機関のインターネットによる情報交換が活発です。それらの中からいくつかを紹介します。

ADI( 国際アルツハイマー病協会)”では、WHOや各国のアルツハイマー協会からの情報を集め、感染状況、医療情報、感染予防の知識に加え、認知症の人と介護者向けのアドバイス、精神安定のための呼吸法、本人、あるいは介護者が感染したときの対応、地域住民としてできる相互支援などをホームページに掲載。毎週水曜日には各国メンバーによるTV会議による情報交換も開始。

イギリス”では、インターネット上での相談や読者の意見交換の場を設置。「手を洗うのをいやがる、外出できないので、暴言や暴力が多くなっている、協会からの助言はもっともだが、そんな風にできたら苦労はない、現実はもっと厳しい」…等々、投稿がたくさん寄せられ、インターネット上で「つどい」のようなやり取りが活発。

台湾”では、人権擁護の視点に基づいた、本人、介護者、専門職向けの今回の非常事態に向けての対応方法ハンドブックを発行。

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オーストラリア”では、大手スーパーマーケットが、買い物パニックから守るために開店後すぐの時間を、高齢者や障害のある人のみに限定し、売り切れになる前に買い物できるように配慮。配食とともにトイレットペーパーを配達するサービスも開始。

香港”では、協会の運営するデイサービスが原則として閉鎖され、利用者も家族も家に閉じ込められた状態。協会もデイサービスからの収入がなくなり財政困難。この状況とデイサービスの重要性を香港政府に訴え、運営資金の約50%にあたる助成金が決定。これにより、スタッフが利用者宅を毎日1、2時間ずつ訪問し、リハビリや家族支援を実施。また、事情によりどうしても利用が必要な人には人数、時間制限の上で実施。

手洗いやマスク着用、咳エチケットなどがあまり普及していない国々では、わかりやすいイラストを使ったポスターや動画による啓発が盛んです。インドの警察官によるマスク着用・手洗い普及のダンスの動画など、感染予防啓発に懸命の努力がされています。

世界が初めて体験する非常事態の中で、認知症の人と介護者の暮らしに役立つようにと願う知恵や経験がインターネットを通じて国境を越えて広がり、相互のつながりが深まっていることを感じます。一日も早く事態が終息することを願ってやみません。

(国際交流委員会 会報ぽ~れぽ~れ477号2020年4月25日発行より)