家族の会では、2011年12月5日、介護保険部会、介護給付費分科会の審議を通しての見解として、下記の通り発表しましたのお知らせします。

再び、介護保険が危ない! 介護保険部会、介護給付費分科会の審議を通しての見解(PDF)


再び、介護保険が危ない!

介護保険部会、介護給付費分科会の審議を通しての見解

2011年12月5日

公益社団法人 認知症の人と家族の会


「家族の会」は昨年12月、介護保険部会の「制度の見直しに関する意見」に対して、「介護保険が危ない!」と題する見解を明らかにしました。その内容は、同部会が両論併記という形を取りながらも、介護サービスの充実なしに利用者の負担だけが増える方向を示唆することに対する警鐘でした。具体的には、①要支援・軽度の要介護の者の生活支援を給付の対象からはずす、②要支援・軽度の要介護の者の利用者負担割合を2割に引き上げる、③ケアプランの作成に利用者負担を導入する、④一定の所得がある人の利用者負担割合を2割に引き上げる、の4点についてでした。

その後、法改正が行われ、①については、介護予防・日常生活支援総合事業が新設されましたが、「家族の会」は、利用者が選択できるように要望しています。しかし、②、③、④については、実施はされなくなったものと思っていました。

しかるに、今年10月から急遽再開された同部会では、「社会保障・税一体改革における介護分野の見直し」として議論がされましたが、そこに出された「論点」も「まとめ」も昨年の再現のようでした。

「家族の会」は、この経過を踏まえて、あらためて今日時点で次の点を要望するとともに、見解を表明するものです。

  1. 介護保険法改正に伴う、介護予防・日常生活支援総合事業の利用については、利用者が選択できるものとすること
  2. 定期巡回・随時対応型サービスを新設後も、認知症の人に有効に対応するため従来の滞在型も強化すること
  3. 従事者の処遇改善は、利用者の負担を増やすことなく行うこと。そのため処遇改善交付金は一般財源で継続すること
  4. 総報酬割、給付に応じた自己負担割合、ケアプランの利用者負担、一定以上の所得者の負担、多床室利用者の負担、補足給付の資産の勘案など、利用者・被保険者の負担増につながる事項が目白押しであるが、これ以上負担が増えれば「高福祉応分の負担」の限界を超えるものとなり、認めることはできない。
  5. サービス提供体制の効率化・重点化として、要支援者への給付の検証なども記載されているが、自立支援の名目で認知症の人に対する給付が削減されることなどがあってはならない。

東日本大震災、福島原発事故などの被害に加え、家族人数の減少、老老介護などの進行による家族の介護力の低下、雇用状況の悪化などによる家計の不安定化など、認知症の人も介護する家族も暮らしてゆくことそのものが困難に直面しています。困難な境遇に陥ることに対し大きな不安があっては、人は安心して暮らすことができません。困難の度が増すほど負担が増える制度の下で、どうして安心して暮らすことができるでしょうか。不安をできるだけ少なくし、また解消する役目を果たせない介護保険制度であっては、保険の意味を成しません。

このような時期こそ、「家族の会」の「認知症の人も家族も安心して暮らせるための要望書」(2011.4.13厚生労働大臣に申入れ)の内容が実現されることを求めるものです。

以 上

※「認知症の人も家族も安心して暮らせる要望書」(全文)は、「家族の会」ホームページでご覧いただけます。

認知症の人も家族も安心して暮らせるための要望書(Adobe PDF))

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