公益社団法人認知症の人と家族の会は、2010年11月30日に発表された「介護保険制度の見直しに関する意見」(厚生労働省ホームページへのリンク)について、下記の見解を発表しました。

「介護保険制度の見直しに関する意見」(社会保障審議会介護保険部会)に対する見解

2010年12月 認知症の人と家族の会

2012年の介護保険制度の改正の方向性について議論を進めてきた介護保険部会が、「介護保険制度の見直しに関する意見」をとりまとめて11月25日終結しました。
その「意見」の内容は、残念ながら「家族の会」が先に表明していた「五つの危惧」が的中したと言わざるを得ません。私たちが制度発足に託した介護の社会化の願いからはとうてい容認できない事項が数多く盛り込まれており、財源の逼迫を理由に給付を制限するという域をまったく出ないものです。
しかも、議論の中で決して多数意見でなかったものがあたかも部会の意見の基調であったかのように述べられています。中でも、以下の意見は利用者にとってきわめて重大な意味を持つものです。

  1. 要支援・軽度の要介護の者の生活支援を給付の対象からはずす
    (軽度の要介護とは要介護2までとの意見あり)
  2. 要支援・軽度の要介護の者の利用者負担割合を2割に引き上げる
  3. ケアプランの作成に利用者負担を導入する
  4. 一定の所得がある人の利用者負担割合を2割に引き上げる
    (一定の所得とは年金による年間所得が200万円以上との意見あり)

ただし、「家族の会」をはじめとする利用者の立場に立った委員の努力により、これらの意見に反対意見が併記されたことは一定の成果といえます。
しかし、反対意見が無視され、上記の内容が改正に盛り込まれることになれば、介護サービスの充実なしに利用者の負担だけが増え、介護保険制度に対する国民の不信がますます強くなる結果を生むことは明らかです。
今、介護保険は、法案作成を間近に控えて、安心を保障するために制度を充実発展させるのか、ただ形だけの貧相なものにするのかの重大な岐路にあります。それを左右するのは私たち国民の声以外にはありません。多くの方にこの状況を知っていただくとともに、制度が改悪されないようにそれぞれの立場で声を上げてくださるよう強く訴えるものです。


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