「介護サービスの決定は保険者を加えた新たなサービス担当者会議の合議に委ねる」

社会福祉法人 綾部市社会福祉協議会・地域福祉部総括管理者
社団法人京都府介護支援専門員会理事
山下宣和

介護の社会化をめざし、走りながら考えると、スタートした介護保険制度も早10年。私は、創設以来、細い線ながらも今日まで途切れることなく介護支援専門員の実務を行っている者の一人です。
今回、「家族の会」が次期の介護保険制度改正に向けての提言の中で、「要介護認定の廃止」それに代わるものとして、「必要な介護サービスの種類と量、有効期間などは、ケアマネジャーのアセスメント情報を活用し、保険者担当者とかかりつけ医も参加するサービス担当者会議で個別に検討し、その場ですぐに判定する。」という提案は、今の要介護認定の問題を解決する上では、合点のいく内容であり、これが今後の望ましい方向だと私は考えます。
介護支援専門員の立場からイメージをしてみると、介護の必要な方の発見(インテーク)→情報収集と分析、目標・生活の課題の設定(アセスメント)、居宅サービス計画原案の作成(プランニング)→保険者担当者とかかりつけ医の参加するサービス担当者会議で、アセスメント結果に基づく要介護の認定と居宅サービス計画の決定、利用者を支えるチームづくりを行うというような感じでしょうか。
しかし、介護支援専門員にとって、サービス担当者会議は非常に重要な場面とはわかっていても、その開催は悩ましいことの一つとなっているのが現状です。下のグラフは、更新研修を受講された介護支援専門員にサービス担当者会議に対してのアンケート調査の結果をまとめたものです。担当者の時間調整が困難、医師の参加が得られないという声の多さが目立ちます。こういった状況の中で、サービス担当者会議で更に要介護認定の機能を持たせることができるのでしょうか。
そのためには、いくつかの条件が必要だと考えます。1つには、何といっても介護支援専門員の質の問題です。個々の力量を上げることはもちろん、処遇面の向上、公正・中立を担保できるだけの仕組みを整備することが求められます。2つには、医師、サービス担当者がこの会議に参加しやすくするための条件づくり。3つには、国民に向けての普及啓発です。
介護保険制度がはじまって10年が経過したとはいえ、まだまだ介護保険制度の周知が図られていないことを日々感じています。
今回、この提言から改めて要介護認定とは何か、介護の社会化とは何か、介護支援専門員に求められるものは何かを考える機会となりました。これを機に、今一度みんなで未来につなぐための制度のあり方、社会のあり方を考えていきたいと思います。

アンケート

平成21年度京都府介護支援専門員更新研修「サービス担当者会議演習事前アンケート」

サービス担当者会議の開催を困難にしている要因として、どのようなことが考えられますか?「家族の会」の「介護保険制度改正への提言」について、各界の方から注目する項目について述べてもらいます。

2010年11月25日発行会報「ぽ~れぽ~れ」364号より