高見代表の一筆啓上(No.213)

会員のみなさん、お元気ですか。

「要介護認定廃止」と「介護サービスの決定は保険者を加えた新たなサービス担当者会議の合議に委ねる」という「家族の会」の提案が注目を集めています。

京都府支部だよりに、95歳の母を介護する会員の投稿が掲載されています。「私は賛成」として、「現在の制度は、コンピューターが計算して、なぜそのような結果がでるかわかりにくいです。利用者には理解できません」。そして、保険者、家族、ケアマネも加わるサービス担当者会議で決定すれば、「認定制度を廃止したからといって、サービスを無駄に使ったり、介護保険制度を成り立たなくすることは起こらないのではないでしょうか」と言われます。

とはいっても、「家族の会」の中でも廃止することへの不安はあります。大分県支部だよりには、「その通りにすればどうなるのかという具体的なイメージが湧いてきません」と書かれています。

介護保険ができて以来ずっとやってきた仕組みですから、それを変更するにはよく議論しなければなりません。「家族の会」は、このことについてみんなで議論しようと呼びかけています。

本誌で先月号から始めた「提言解説」はそのための連載です。田部井康夫理事がブロック会議などで出された意見や質問も踏まえて書いています。まだお読みでない方はぜひお読みください。

ところが、先般、「認定システムの廃止・空洞化の阻止を」と叫ぶ団体が東京で集会を開き、『信濃毎日新聞のアンケートによると、認知症の人と家族の会会員1146人の約半数が現在の制度を支持している』という資料が配られました。

とんでもない話です。同紙の介護保険に関するアンケートには「家族の会」の38支部が協力しましたが、時期は「家族の会」が「提言」を決める前の5月上旬で、しかも会員だけを対象にしたものではありません。同紙のエリアである長野県内では宅老所・グループホーム連絡会の協力で支部会員数よりはるかに多い回答が集まっています。当然のことながら紙面にも「家族の会」の会員数などはどこにも出ていません。

大げさに言えば、データのねつ造ともいえる仕業で、さすがに信濃毎日新聞も、これは正しくないということで、その団体に注意を促されたそうです。

「家族の会」の提言は、介護保険を本来の目的である利用者・家族に役立つものにしたいという提案です。
批判するなら、「利用者・家族にとって、家族の会の提言はよくない」という意見を述べるべきでしょう。法律改正を控えて、そういう議論を私たちは望んでいます。

それでは、また来月まで、頑張ってください。

2010年9月25日発行会報「ぽ~れぽ~れ」362号より

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