2018年6月9日に、第9回(通算39回)総会を開催し、下記の総会アピールを決定しました。

認知症の人と家族が実りある人生を送れるよう
介護保険制度の改善・充実を求める

2018年6月9日  総会アピール

認知症の人と家族の会 総会参加者一同

総会でアピールを読み上げる山田留美子理事

「家族の会」は、今年結成39年目を迎え、本日すべての都道府県支部から300名近くの会員が参加して総会を開催しました。
社会的支援が何もなかった時代、支え合い助け合って困難な介護を乗り切ろうと「家族の会」は結成されました。そして、日々の介護の中でさまざまな経験を積み重ね、また、認知症への支援と理解を社会に働きかけ、認知症の人も家族も実りある人生を送ることを目指す「認知症新時代」を切り拓いてきました。

今、国は省庁の枠を超えて「認知症施策推進総合戦略」(新オレンジプラン)に取り組んでいます。認知症の当事者の間では、昨年のADI国際会議を契機に「家族の会」が呼びかけ、つながった団体が連携を発展させ、「認知症関係当事者・支援者連絡会議」を発足し、9月にはシンポジウムを開催します。また、海外の認知症関係者からの日本との活動交流への期待も大きく、10月には韓国痴呆協会(KAD)との共催イベントがソウルで開催されます。世界の流れとも呼応したこのような動きは、私たちに希望と勇気を与えるものです。

しかし、それによって生活や介護が楽になったと実感できている認知症の人と家族がどれだけいるでしょうか。介護の現実に目を向ければ、「老々介護」や「シングル介護」「遠距離介護」等が増加し、介護離職や虐待、介護殺人・心中は後を絶ちません。

そのような現実を改善する主力であるはずの介護保険制度は、充実されるどころか、後退の一途をたどっています。既に、昨年度、要支援1・2の人の訪問介護と通所介護は市区町村の「介護予防・日常生活支援総合事業」に移行され、介護保険の給付から外されました。さらに、今年4月、生活援助の利用を要介護3以上に限定する方向が「財政制度等審議会」で示されるなど、介護の実態を無視した「利用制限」の動きは目に余るものがあります。とりわけ、10月から実施が決まった訪問介護の「生活援助」のケアプラン届け出の一部義務化は、必要な人が必要なサービスを利用できなくなるおそれがあり、“自立支援”どころか重度化を招きかねず、決して容認できません。

今、私たちは、サービスが受けられず厳しい介護を強いられるというだけにとどまらず、人として当たり前の生活を送ることを保障する「生存権」すら侵されようとしていると言えるのではないでしょうか。人の命と生活を軽んじるような制度の後退を、決して認めるわけにはいきません。ここに、総会参加者の総意として、国は襟を正して、政策の実施にあたり、生活援助の利用制限の撤回を含め、認知症の人と家族が安心して暮らせる制度を実現するよう強く求めるものです。

総会アピール2018(PDF、162k)

第9回(通算39回)総会の様子(2018年6月9日、京都市内)