仲間と出会い話したい

今月の本人:

千葉県支部の若年のつどい参加のみなさん


千葉県支部では年に3回、若年のつどいを開催しています。毎回、家族の同伴したご本人、家族のみを含めて総勢約50名近くの参加があります。十分な話し合いができるようにと、参加者をグループに分け、本人も各グループに入り、それぞれの思いを語ります。


頃合いを見て、本人は別室へと移動し、散歩や持参された絵本の朗読、卓球や歌などの別メニューで過ごしています。


それぞれが、自分らしく過ごせる場


自己紹介時に、Aさんは突然、素晴らしい声で詩吟を詠じ始められました。最後まで間違えることなく朗々としたその声は、周囲を圧倒しました。謡い終わったときの彼の、はにかんだ表情は少年のようでした。Bさんは言葉が出にくくなっています。「新潟の出身ですよね」と話しかけると「火打山に行った」「高田でスキーに行った」などと言えました。公園では楽しく風船投げに参加しました。


海外旅行が趣味だったCさんは、ドイツ民謡を原語で歌ってくださいました。スポーツ好きのDさん、卓球の技は見事でした。その隣で黙々と新聞記事を書き写すEさんの姿は、修行僧のようです。F子さんは、「お父さんは図面を書いているの」と何度も何度も繰り返されます。夫の姿を誇らしく思うその心根がいじらしかったです。


妻の留守にこっそり「脳トレ」をやっているというGさんは今も野菜作りが趣味で元気です。


様々な垢を身につけて生きる我らは、健康であるがゆえに、少なからず猥雑です。それらをすっきり削ぎ落としたかのような清廉な姿が、認知症を病む人には見えることが多いです。私は彼らに接するとき、性善説を信じたくなります。(千葉県支部世話人 山口貴美子)


2009年10月25日発行会報「ぽ~れぽ~れ」351号より

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