2017年11月4日(土)、徳島県鳴門市で開かれた「家族の会」支部代表者会議において、次のアピールが報告されました。

介護の実態を無視した報酬引き下げ・利用制限に反対する

~介護報酬を引き上げ、本人・家族が安心して利用できる制度を求める~

2017年11月4日
認知症の人と家族の会支部代表者会議 参加者一同

介護を社会全体で支える仕組みとして生まれた介護保険制度は、「給付削減・利用者負担増」の流れがますます強まり、創設時の理念であった「誰もが必要な時に必要なサービスが受けられる」制度から、「いざという時に使えない制度」へと大きく変えられようとしています。

4月からすべての市町村において、要支援の人の訪問介護、通所介護のサービスが、「介護予防・日常生活支援総合事業」に移行されました。この仕組みを早くから導入した先行自治体の中には、公的支援の役割を否定するかのような、「卒業」を推奨する考え方を強調し、状態の改善を目指さないサービス利用を良くない例として示すところもあります。

また、社会保障審議会介護給付費分科会で今行われている介護報酬改定の議論で、「成果主義」の考え方が持ち込まれようとしています。要介護認定率が下がった自治体や、利用者の要介護度を改善させた事業所に報奨を与え、そうでない場合には報酬を引き下げることまでも検討されています。こうした考え方は、介護が必要になった高齢者の生活の実態に沿っておらず、認知症の人が敬遠されるなど不利な扱いを受けることが強く懸念され、導入には賛成できません。

さらに、訪問介護の生活援助については、財務省作成の「一ヵ月に100回以上利用している事例がある」との資料が示され、「過剰な利用だ」との意見が相次ぎました。しかし、認知症初期の人が在宅生活を送るうえで、朝昼晩一日3回、食事や服薬等の生活援助は、命をつなぐための基本的なサービスであり、自立支援に重要な役割を果たしています。介護の実態から見て、生活援助の報酬引き下げや利用制限は絶対に認められません。

このような、介護の実態を無視した、まるで介護保険を使わないことが良いことで、介護を必要とする状態になることが利用者・家族の自己責任であるかのような考え方は、介護保険の「介護の社会化」の理念に照らしても、到底受け容れられるものではありません。

今、「家族の会」も加わって、全国の介護関係者が介護報酬の引き下げに反対して「介護の現場を守る」署名運動に取り組んでいます。

私たちは、適正な介護報酬が確保され、負担増や実態を無視した利用制限が行われることなく、認知症の人と家族が、社会的な支援の下で、自分らしく暮らせる社会を実現することを、ここ鳴門市に全国から集まった支部代表者会議の参加者の総意として強く求めるものです。

以上